マンション光回線のVDSL方式はなぜ遅い?最大100Mbpsに近づける対策と遅い原因

マンションで利用している光回線が遅いんだけど、光回線なのになぜ?やっぱりVDSL方式だから?という声を多く聴きます。

実はそのとおりで、光回線でもVDSL方式は遅いです。

下手すればスマホやポケットWiFiよりも遅いこともあるぐらいです。

光回線ときくと最大1Gbps・2Gbpsと爆速なイメージがありますが、残念ながらマンションVDSL方式はどれだけ速くなっても最大100Mbpsまでです。

ただ50Mbps以上でていると遅さを感じることはないので、まず50Mbps以上出ている状態を目指しましょう。

著者:瀬戸根弘宜
瀬戸根弘宜
私は新聞社に日本で結いるネット回線のプロとして認められた専門家です。13年以上にわたり累計2万人以上にネット回線選びのお手伝いをしてきた経験から、独自の観点や比較手法によって、後で後悔しないコスパの良いポケットWiFi・WiMAXの選び方をお伝えしている。
更にChat WiFiが運営するWiFi情報サイト「ちょっとWiFi」の監修者にも抜擢されました。

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そもそもVDSL方式ってなに?

VDSL方式というのは、マンション内の配線がメタルケーブル(電話線)を使っている方式のことです。

VDSL方式のイメージ
参照元:NTT東日本(集合住宅の導入工事と配線方式について)

電柱からマンション棟内共用スペースにある回線終端装置(VDSL集合装置)までは”光回線”を引き込み、回線終端装置から各部屋までの配線に”メタルケーブル(電話線)”を利用しています。

そして宅内用VDSL装置(いわゆるモデム)からPC・無線LANルーターまでは”LANケーブル”を利用し、無線LANルーターからスマホやタブレットなどへはWiFi通信となります。

簡単にいうと電話線を利用して光回線をつかっているというのがVDSL方式の特徴なわけです。

最大通信速度100Mbps
  • 光配線方式
  • LAN配線方式
  • 光回線方式のイメージ
    参照元:NTT東日本(集合住宅の導入工事と配線方式について)

    光配線方式は、電柱から各部屋まで光回線を利用している方式です。

    光回線自体の最大通信速度は10Gbps以上で、室内までその配線が通っているということです。

    最大通信速度1~2Gbps
  • LAN方式のイメージ
    参照元:NTT東日本(集合住宅の導入工事と配線方式について)

    LAN配線方式は、電柱から共用スペースにある回線終端装置までは”光回線”で、共用スペースの回線終端装置から部屋まで1本のLANケーブルを利用した方式です。

    LANケーブル自体の最大通信速度はCat7クラスで10Gbpsですが、そもそもマンション内に張り巡らせられているLANケーブルは基本Cat5クラスで100Mbpsで、速度だけで言えばVDSL方式と同じです。

    ちなみに室内用モデムは不要ですが、無線LANルーターやLAN用ハブを使わないと1台しか利用できません。

    最大通信速度100Mbps

 

VDSL方式が遅いといわれる理由

VDSL方式には以下2つの欠点があります。

  • メタルケーブルの最大速度が100Mbps
  • 回線終端装置を2つ使うから処理が多い

メタルケーブルはアナログ信号でやりとりしますが、光回線はデジタル信号でのやり取りになります。

光回線(デジタル信号)⇒メタルケーブル(アナログ信号)⇒LANケーブル(デジタル信号)となるので、デジタル信号からアナログ信号に変換するために回線終端装置(ONU)を通し、アナログ信号からデジタル信号に変換するために回線終端装置(ONU)を通します。

この結果、情報処理負担が増えるのでそれが通信速度として跳ね返ってきます。

また、メタルケーブル自体は最大100Mbpsなので、マンション内のあらゆる人が同時にネットを繋いでいると、利用できる回線キャパシティーが1部屋ごとに割り振られるので、一人ひとりで使える通信相度が減っていくことになります。

そしてこのキャパシティーが常に超過した状態になると通信速度が遅いと体感しやすくなるわけです。

瀬戸根

20~23時頃のネット利用者が多い時間帯に通信速度が遅くなるのはこのためです。

光回線のVDSL方式で通信速度が遅い6つの原因

  • VDSL方式だから遅い
  • 光回線利用者が多く混雑していて遅い
  • 何らかのノイズが乗っていて遅い
  • 無線LANルーターの性能が悪くて遅い
  • 無線LANルーターが電子レンジなどの影響を受けて遅い
  • そもそもPC等端末側の問題で遅い

VDSL方式だから遅い

VDSL方式がの通信速度が遅い理由は、「VDSL方式が遅いといわれる理由」で説明した通りです。

VDSL方式で利用している電話線(メタルケーブル)がボトムネックとなるので通信速度が遅くなりやすいです。

対処法

VDSL方式から光配線方式に変更するしかありませんが、容易に変更できるものでもないので、実質的には無理です。

光回線利用者が多く混雑していて遅い

VDSL方式で利用されているメタルケーブル(電話線)は、一度に送受信できる情報量(データ量)に限りがあります。

ただメタルケーブルは各部屋1本づつ利用しているわけではなく、マンション内の回線終端装置から1本のメタルケーブルを各部屋に分岐しているので、1本のケーブルを住人全てで共有しているようなイメージとなっています。

そのため、マンション内の別の部屋の人がネット利用するだけで、自分が1秒間に送受信できる情報量(データ量)が減るので、通信速度が遅くなるというわけです。

対処法

利用者が多い時に遅くなるのはどうしようもありません。
利用者が減るまで待つしか対策はないです。

何らかのノイズが乗っていて遅い

メタルケーブル(電話線)は光回線よりもノイズによる影響を受けやすいです。

例えば、高圧電線からでている電磁波の影響などの影響を受けやすいので、線路沿いにあるVDSL方式のマンションはネット速度が遅くなりやすいです。

ただ配線の通し方次第でノイズの影響を受けていない場合もあるので、これはあくまでも仮説としてしか機能しません。

対処法

対処法はありません。

無線LANルーターの性能が悪くて遅い

無線LANルーターイメージ

部屋までの回線速度は充分でも、室内で利用している無線LANルーターの性能が悪いことがボトムネックになり、通信速度が遅くなっている場合があります。

無線LANルーターの性能は「CPU・メモリ・アンテナ・WiFi規格・その他」で決まります。

無線LANルーターは毎年性能が向上しており、アンテナの受信感度から送信パワーが増加していたり、CPU性能向上による一度に処理できる情報量が増えたりしています。

例えば、3,000円程度の無線LANルーターと1万円の無線LANルーターでは、性能を決める大切な部分が大きく変わるので、少しいいものに変えただけで速くなることはよくあります。

対処法

「WiFiの通信規格 11ac/ax」「レーザーフォーミング機能」のついている無線LANルーターを購入すれば解消できる場合があります。
※価格は8000~10000円ほどです。

瀬戸根

高すぎる無線LANルーター(3万円ほどするもの)を使ってもあまり意味が無いのでご注意ください。

無線LANルーターが電子レンジなどの影響を受けて遅い

無線LANルーターでのWiFi通信は2.4GHzか5GHzの周波数が選べます。

周波数の数値が低ければ低いほど、遠くまで電波が飛んだり、扉を閉めている部屋まで飛ぶ特性があるので、2.4GHzを利用している人が多いです。

しかし、2.4GHzの周波数は電子レンジ利用時に発する周波数と酷似しているので、電子レンジの周波数が無線LANルーターからでるWiFi通信を阻害して、通信できなくなったり・通信速度が一時的に低下する場合があります。

ちなみに隣の住人が電子レンジを使っていても、この現象が起きる可能性があります。

対処法

WiFi通信を2.4GHz⇒5GHzに変更すれば改善される場合があります。

PC・スマホ等の端末側が問題で遅い

そもそもPCやスマホスペックが問題で通信速度が遅くなることがあります。

  • 端末スペックが低い
  • 端末容量が不足している
  • 端末がビジー状態

これら3つのいずれかで通信速度が低下することがあります。

対処法

利用アプリ・ソフトウェアを減らしたり、新しい端末に変えたり、無駄なデータを削除することで通信速度が改善される場合があります。

VDSL方式から光配線方式へ変更できないのか?

VDSL方式から光配線方式への変更はあらゆる状況により不可な場合が多いです。

光配線方式への変更は、マンション内である程度申込者数・利用者数がある状態で、ネットが遅いという声を集めてから、管理組合に議題を上げ、承認されてから工事を行う必要があります。

この際、各部屋への配線の引き直しも必要で、配線を通す箇所に隙間がなかったり、内部設備の事情で工事不可な場合もあります。

瀬戸根

一人の声で光配線方式へ変更されることは極稀です。

    【自分でできる】光回線VDSL方式の通信速度を改善する方法

    ちょっとした対処方は「光回線のVDSL方式で通信速度が遅い6つの原因」でも触れましたが、ここからVDSL方式の通信速度を改善する方法を詳しくお伝えします。

    VDSL方式の通信速度を改善する方法
    • 無線LANルーターを高性能モデルに変更する
    • IPv6 IPoE対応プロバイダに変更する
    • PCへの接続をLANケーブルにする
    • WiFi通信方法を2.4GHZ→5GHzに変更する
    • 戸建て用プランを引き込む

    ここから、それぞれ詳しく解説します。

    無線LANルーターを高性能モデルに変更する

    無線LANルーターはWiFiを飛ばせればいいと思う人も多いですが、性能面で通信速度が大きく変わります、

    また飛ばす距離や利用する人数次第で必要なスペックも異なります。

    ただどんな状況でも次の無線LANルーターを選べば回線速度向上する可能性は高いです。

    IPv6 IPoE対応プロバイダに変更する

    最大100Mbpsしかだせなくても、IPv4(PPPoE)とIPv6(IPoE)は接続方式そのものが違うので、通信速度面が変わる可能性が高いです。

    IPv4 PPPoEはネットワーク終端装置を経由してプロバイダを通してインターネットに接続しますが、IPv6 IPoEはプロバイダに直接繋がるのでロスが少なくなります。

    イメージ的には、高速道路の料金支払いで「ETC払い」と「現金払い」のような違いがあり、IPv6は数が多くなると渋滞する受付がないので、その分速くなるというわけです。

    IPv4だと利用者が多くなればなるほど待ちが発生してしまいますよね。

    瀬戸根

    IPv6に変えると、夜の混雑時の通信速度が大幅に変わる可能性があります。

    PCへの接続をLANケーブルにする

    無線LANルーターでWiFi接続するより、LANケーブルで直接つないだほうが、送受信するデータにロスがでづらいので、通信速度が安定しやすいです。

    そのため、WiFiが弱い場所などではLANケーブルにつなぐのが理想です。

    瀬戸根

    WiFiルーターから遠い場所だとメッシュWiFiやアクセスポイント追加も効果的です。

    WiFi通信方法を2.4GHZ→5GHzに変更する

    電子レンジや高圧電線の影響を受けづらい5GHz帯でWiFiにつなぐことで通信速度が改善される可能性があります。

    設定方法は無線LANルーターにより異なりますが、「SSIDが2つあれば、2つ目が5GHz帯であることが多い」です。

    瀬戸根

    5GHzのWiFi通信は、通信速度向上しますが、WiFi自体の飛ぶ距離が短くなるので、場所によって逆効果となる場合があります。

    戸建て用プランを引き込む

    戸建て用プランの光回線は、モデムなどまで直接電柱から光回線を引き込むので、マンション側の回線終端装置を通さないので、マンション住人の利用状況による影響をうけません。

    ただ、マンションタイプが導入されているマンションで、戸建て用プランを引き込むのは許可が降りない事が多いので、実現できない可能性が多いです。

    賃貸マンションであればオーナー許可が必要で、分譲マンションであれば管理会社に問い合わせて工事可能かの確認が必要になります。

    更に月額料金もネットだけでも500~1000円ほど高くなってしまいます。

    瀬戸根

    マンションタイプ導入マンションで、戸建てタイプを引き込めた例は少ないので、引き込めたらラッキーぐらいに考えましょう!

    IPv6対応の光回線

    現在、ほとんどの光回線はIPv6に対応しています。

    • 光コラボ(ドコモ光やSoftBank光など)
    • フレッツ光
    • auひかり(プロバイダ次第)
    • NURO光
    • 電力系光

    現在、上記に当たる光回線を利用されている場合は、契約されているプロバイダでIPv6にできないか確認してみてください。

    IPv6は最近だと申込時に選ぶことができますが、何年も利用している光回線は連絡してオプションでつけるしかありません。

    ただ契約プラン内容次第で、稀にIPv6に対応できない場合もあるので、どちらにしても確認が必要です。

    まとめ

    マンションVDSL方式の光回線は遅いかというと、数値上では確かに遅いのは遅いですが、使い方次第で遅さを感じ無いことも多いです。

    そしてその遅さを感じないのが50Mbps程度でている状態なので、まず50Mbpsを超えることを目指して対策をとりましょう!

    ただ、細々した対策をしても全く改善しないこともあります。

    この場合は、根本的に光回線を乗り換えることでしか解決しない場合もあるので、参考程度に考えていただければと思います。

    VDSL方式の遅さ改善に役立つことを祈ってます!