とあるポケットWiFiに関わる企業から、WiMAXで最も人気のある端末「W06」および「L02」は、今ある在庫限りで販売終了するという情報が入りました。


まだ公式サイトで公表されていないプロバイダがほとんどですが、近いうちに公表されるはずです。
ただ問題は、コロナによるリモートワークなどで需要増大が影響してか、端末在庫が少ないプロバイダが多いと容易に推測できます。
W06とL02が人気だった理由
現在WiMAXで販売されている端末は、モバイルルーターのW06とWX06、ホームルーターのL02とHOME02の4種類あります。
しかし、W06とL02は、WX06とHOME02よりも「内蔵アンテナのスペックが高く、安定した通信ができる」ことが一番の強みであり、それがユーザーに好まれていたため非常に人気がありました。
スペックが高く人気のある端末であれば、そのまま継続して販売してくれればよかったのですが、なぜ急に在庫限りで販売停止になるのでしょうか?
W06とL02は何が問題?
結論からいうと、W06とL02の製造メーカーがHUAWEI(ファーウェイ)だからではないかと推測しています。
推測というのは、正式な理由が明確に公表されていないからです。
元々、HUAWEIは米ハイテク企業に導入されていたチップでスパイ行為を行ったり、イランや北朝鮮への制裁違反を行った疑惑があります。
これを理由に、アメリカはHUAWEIに対して、輸出入規制等により制裁を加えています。(例えば、輸入の際に取得しづらいライセンスが必要等々)
そして2020年9月に、Huaweiへの新たな半導体輸出規制が敷かれ、アメリカの技術を全く使わずに半導体を生産するのは不可能なため、W06の生産にも影響がでているのではないか?という憶測です。
HUAWEI自体は優秀な半導体メーカーであり、日本企業よりも高い技術力と生産能力を持っているのは事実です。
HUAWEI問題の裏付けといえるW07の動向
実は、毎年2月~3月にHUAWEIは新機種を発売していましたが、2020年は新機種の発表がありませんでした。
ただ実際は、2020年に本来発売されるはずだったW07は、コンシューマー向けに公表されていないだけで、法人契約でのみ販売を開始しています。
法人契約で販売できているけど、コンシューマー向けに販売できない一番の理由は、「販売できる在庫が確保できなかった」というのが本質なのではないかと思います。
あくまでも推測ですが…。
ちなみに、今まで販売元がUQコミュニケーションズだったところ、W07からはKDDIに変わっています。とはいえ、これはUQコミュニケーションズとKDDIの組織改編による影響もあると思います。
その結果今までWiMAXの法人契約はUQコミュニケーションズが取り仕切っていたところ、現在はKDDIになっています。
今後のWiMAX端末はNEC製のみになる?
現在、WiMAX端末はHUAWEI製とNEC製しか扱っていません。
そしてHUAWEI製の端末が消えたとなると、選択肢はNECのみになってしまいます。
当然空いた穴を埋めるように、別のメーカーの端末が販売される可能性がないとは言い切れませんが、5Gの動向を加味すると今は下手にメーカーを算入させるべきタイミングではないと思います。
結果的に、NEC製品の身になるのではないかと思います。
モバイルルーターはWX06がメイン
WX06は、W06と比べてもスペックに大差はありません。
W06の通信速度は最大1.237Mbpsですが、有線接続+au4GLTE利用時+特別な回線エリアなので、基本的にあり得ない速度です。
実際の最大通信速度は556Mbpsとなり、WX06との差は約100Mbps程度ですが、あくまでも理論上の速度であって実際に出る通信速度の差は5Mbpsもないです。
ただ内蔵アンテナ性能はHUAWEIのほうが高いので、通信速度は多少早いです。しかし、それも体感ではあまり感じられない程度かもしれません。
それどころかバッテリーの持ちはWX06のほうがエコモードだと2時間ほど長いので、選んでも全く損はないでしょう。
ホームルーターはHOME02がメイン
L02と比べると、HOME02はコンパクトさが売りです。スペックを比較してみてもわかります。
L02 | HOME02 | |
---|---|---|
![]() | ![]() | |
2019年1月 | 発売日 | 2020年1月 |
HUAWEI | メーカー | NEC |
1,237Mbps (au4GLTE利用時) 558Mbps (WiMAX2+のみ) | 下り速度 | 440Mbps |
75Mbps | 上り速度 | 75Mbps |
93×178×93mm | サイズ | 50×118×100mm |
436g | 重量 | 218g |
40台 | 同時接続台数 | 20台 |
◯ | ハイスピード プラスエリアモード (au4GLTE回線) | ◯ |
無料 | 端末料金 | 無料 |
L02との違いは、下り最大速度と同時接続台数だけで、スループット(実際の通信速度)も多少の差はあります。
しかし、大幅に影響が出る差ではなく、体感的に差を感じれない程度の差しかないので、全く問題ありません。
まとめ
W06とL02が販売終了となるのは仕方がない。
それどころか、端末が一本化されるので、これからWiMAXを契約される方は端末選びで悩む必要がないので、ある意味シンプルになったといえるかもしれません。
ちなみに、これ通信回線のプロとしての今後の期待ですが、WiMAX2+回線は高周波ながら対応エリアの広さは格段で、仮に現在の基地局で扱っている回線を5Gに転化できた場合、どのキャリアの5Gよりも広いエリアに化けます。
ただまだ国が認めてくれないので、5Gに転化できていない状況です…。
国としてはスマホが整備されない限り認めない可能性もありそうですが、本来であればWiMAXが今一番最も5G化できた際に強いのは間違いありません。
将来を見越しても、WiMAXを選ぶのは間違いないと思います。
今後の5G対応が楽しみです。
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