WiMAXは雨の日遅い?

雨が降っているからかWiMAXのつながりが悪い!

これって雨が降っているのが原因か、それとも別に何か原因があるのか?

今お困りの方のために、「繋がらない時の対処法」「遅い時の対処法」について詳しくお答えします。

ちなみに雪の日も当てはまります。

雨の日にWiMAXの電波は弱くなるのか

結論からいうと、雨の日にWiMAXの電波が繋がりにくくなる可能性があるのは間違いありません。

その理由は、雨によって物理的現象といえる「降雨減損」と「水膜減衰」の影響がでるからです。

降雨減衰と水膜減衰というのは何か?

まずどちらも簡単に表現すると、「雨水によって電波の一部が反射・吸収されて、電波を届けられる量が減ってしまう現象」のことです。

ちなみに、WiMAXだけでなく、ポケットWiFiやスマホ、テレビやラジオなど全ての電波が当てはまります。

では降雨減衰と水膜減衰とはどういった現象なのか簡単に説明します。

 

降雨減衰とは

空中の降っている雨水に電波が反射・吸収されて、届く電波が弱くなってしまう現象のことです。

周波数と降雨量による減衰率
転載元:https://keytech.ntt-at.co.jp/environ/prd_40011.html

降雨減衰は、降っている雨の量に応じて減衰率が変わります。

当然雨が多く降っている日ほど、電波が弱くなりやすいです。

水膜減衰とは

基地局やアンテナに付着した雨水により電波が反射吸収されて、届く電波が弱くなってしまう現象のことです。

雨が降ると、基地局のアンテナに雨水がつきます。雪の日であれば基地局アンテナに雪が付着します。

その結果、雨や雪に電波の送受信量が減衰してしまいます。

水膜による減損率

ちなみに雨水の膜厚が厚くなればなるほど減衰する量は減ります。

結果的に、ゲリラ豪雨などの強い雨の日は電波が弱くなりやすいです。

減衰量は電波周波数により変わる

WiMAXで利用されている電波周波数は「WiMAX2+:2.5GHz」「au4GLTE:800MHz」の2種類あります。

簡単にわかるように、WiMAX2+(2.5GHz)を高周波回線、au4GLTE(800MHz)を低周波回線として、周波数による特性の違いをみてみましょう。

WiMAX回線とLTE回線の違い

電波 特性
高周波(WiMAX) 一度に送受信できる情報量が非常に多い(通信速度が速い)が、
直線にしか進めず反射吸収されやすい。
低周波(LTE) 一度に送受信できる情報量は少なめ(通信速度が遅め)だが、
障害物をよけやすいので反射吸収されにくい。

簡単にいうと、電波からすれば雨水や水膜は障害物になり、高周波回線は低周波回線に比べると反射吸収されやすい特性を持っていることになります。

結果、ポケットWiFiの中でもWiMAXは雨が降っていると電波が弱くなりやすいです。

近年は雨による電波が弱くなる現象への対策がされている

雨の日に電波が弱くなりやすい現象の原因は、「水膜減衰」と「降雨減衰」の2つでしたが、ある程度の対策は可能です。

対策

■水膜減衰への対策
単純に、基地局アンテナに付着する雨水の量を減らせばよいだけです。
そのためアンテナに撥水加工を施しておけば水膜が薄くなりやすいです。

■降雨減衰への対策
電波特性はどうしようもないですが、基地局を増やしてエリア内に送受信できる電波量を増やすことで改善できます。
単純に障害物に邪魔されても電波が届きやすいように基地局を増やせばいいわけです。

あくまでも物理的な現象なので、雨の日にWiMAXの電波が減衰されないわけではありません。

しかし、原因が分かっているのであれば、解消する手立ても多少はあるということで、そういった対策は徐々にされてきています。

ただ、近年多いゲリラ豪雨などは、車に乗っている状況と同じように、フロントガラスを撥水していても正直ほとんど見えなくなるのと同じように、電波は弱くなりやすいです。

雨の日にWiMAXが繋がりにくい・遅いときの対処法

対処法は主に5つしかありません

  1. 窓側にルーターを持って行く
  2. 簡易アンテナを作る
  3. ハイパフォーマンスモードにする
  4. WiFi設定を2.4GHzから5GHzに変更します
  5. 一時的にau4GLTEを使う
  6. ソフトウェアアップデートをする

窓側にルーターを持って行く

WiMAXは、高周波回線だからこそ、室内でも障害物があると電波が弱くなりがちです。

だからこそ、電波の入り口となる窓側にWiMAXを置けば、ルーターにダイレクトに電波が入るので、繋がりやすさが安定しやすいです。

また窓に雨粒がついている場合、雨粒も拭くことで更に電波の入りがよくなります。

簡易アンテナを作る

簡易パラボラアンテナ

アルミホイルで簡易パラボラアンテナを作成すれば、電波が端末側に集約されるので、電波強度は同じでも速度が速くなることがあります。

ちなみに、アルミボウルだと入ってくる電波の量が少ないので、少しだけ丸みを帯びたお皿のような形にするのがおすすめです。

もし電波が弱かった場合、電波強度も上がる可能性もあります。

ハイパフォーマンスモードにする

WiMAXにはパフォーマンス設定があり、バッテリーの持ちを考えるとエコモード(バッテリーセーブ)や、ノーマルモード(スマート)が基本です。

ただ、ハイパフォーマンスモードにすることで、端末内蔵アンテナがフル稼働するので、電波の受信感度が上がり、通信速度が速くなることもあります。

WiFi設定を2.4GHzから5GHzに変更します

これはあまり期待できませんが、ルーターと端末を繋ぐWiFi周波数を2.4GHzから5GHzにすれば、速度改善される可能性があります。

2.4GHzは電子レンジなど様々な電子機器による影響を受けやすい周波数ですが、5GHzにすれば電子機器による影響を受けにくくなるので、結果的に通信環境が改善される可能性があります。

ただ改善されるのは、基地局からルーターまで充分電波が届いている場合のみです。

一時的にau4GLTEを使う

au4GLTE

WiMAXのギガ放題プランであれば、追加費用なしでハイスピードプラスエリアモードを月7GBまで無料で利用できます。

ハイスピードプラスエリアモードでは、WiMAX2+とau4GLTEが利用できるようになり、WiMAX2+回線が弱い状況でもau4GLTEなら充分に入ることが多いので、電波環境が改善される可能性があります。

おそらくこれが一番改善されます。

ソフトウェアアップデートをする

WiMAXソフトウェアアップデート

端末側のファームウェアが最新の状態でない場合、アップデートすることでWiFの暗号化通信規格が変わる可能性があります。

WiFiの暗号化通信規格により通信時の負荷が変わるのですが、最新版になるにつれ暗号化方式はより堅牢になり、より軽くなるよう設計されています。

その結果、通信速度が改善する可能性があります。

まとめ

WiMAXは雨の日になると、電波の入りが弱くなる可能性があり、繋がりにくくなったり・通信速度が遅くなることがあります。

ただいくつかの改善策を試してみれば、充分に利用できる環境になる可能性はあります。

ただ最近、そもそも雨の日に電波が弱くなること自体少なくなってきているので、よほどの場合に試してみてください。

ちなみに一番良い対策は「ハイスピードプラスエリアモード(au4GLTE)を使う」ことです。

もし端末が古くてau4GLTEを利用できない方は、最もお得なWiMAXプロバイダのBroadWiMAXに乗り換えることをおすすめします。

なにより最新端末になればなるほど、内蔵アンテナの受信感度もよくなっているので、それだけで改善される場合もありますよ。